股関節の詰まり感は鼡径部の痛みや腰痛の原因になります。ヨガやピラティスなどを行い筋肉のストレッチ感ではなく股関節周りに詰まった感覚があるなら、それは早めに対処した方が良いと思います

股関節について

股関節の可動域は屈曲は125度、伸展は15度あります。内転と20度と外転は45度が標準です。

歩くのに必要な可動域は屈曲は30度ほど、伸展は10度ほどです。股関節の屈曲30度が制限される事はありませんが、伸展可動域は制限される事は多々あります。この場合も股関節の詰まりを感じる事になりますので伸展可動域が制限されているなら、そちらのケアも必要になります。

股関節の関節包

関節包は関節ほ包む袋ですべての関節にあります。この関節包は一部分厚くなり、その部分は靭帯です。この靭帯は屈曲でゆるみ、伸展で緊張します。この関節包を補強するように筋肉が付着しています。この筋肉と関節包の癒着や筋肉の動きがわるくても股関節のつまりの原因となります。

股関節の屈曲運動

股関節の屈曲運動は125度が標準と書きましたが、実際は130度くらいあります。ただ股関節だけでは90度ほどしか曲がりません。それでも130度も屈曲できるのは骨盤と腰椎が動くからです。つまり股関節の詰まりは骨盤や腰椎の動きが硬くても起こります。実際初期や軽度の股関節の違和感や鼡径部の痛みでは骨盤や腰椎を動かす運動や施術で改善することもよくあります

股関節の関節包と筋肉

関節包を補強する形で大腿直筋と小殿筋があります。このこの筋肉は連結している事も報告されています。その他にも腸腰筋は関節包の前面にあるので、関節包と腸腰筋の摩擦を緩衝するための腸腰筋滑液が存在し、この場所も施術のターゲットになります。その他にも腸骨関節包筋とかなり小さい筋肉も関節包の前面にあります。腸腰筋滑液包の癒着や腸骨関節包筋などの問題はセルフケアでは完全しにくく施術が必要だと思います。

股関節と腰椎

骨盤や腰椎の硬さが股関節の詰まりに影響すると書きましたが、若い人と年配の人で比べた場合、若年者は股関節の屈曲3度に対して腰椎は1度くらいの可動域なのに対し、年配の方は股関節の屈曲可動域5度に対し1度くらいの可動域になるそうで、腰椎の硬さは股関節の負荷に直結する事が分かります

骨盤と腰椎の硬さの原因

腰椎や骨盤の動きを制限する因子は沢山ありますが、組織をあげると多裂筋、腸腰靭帯、各種仙腸靭帯、仙結節靭帯などがあります。筋肉がストレッチで緩める事ができますが、靭帯はストレッチで緩める事はできません。それでも靭帯を動かす為のストレッチや施術は必要です。なぜなら動かさない事で癒着や拘縮が起こるこらです。それらを改善するためにも骨盤周りの筋肉や靭帯へのアプローチは重要です

股関節の伸展制限と骨盤腰椎の前傾

歩行時の股関節に必要な伸展可動域は10度くらいと書きましたが、それが制限されてしますと結果として骨盤と腰椎が前傾し代償する事になります。という事は骨盤や腰椎の前傾をとるため股関節伸展可動域へのケアが必要になります。さらに股関節伸展制限は膝の屈曲拘縮の原因にもなり膝痛の原因にもなります。という事は股関節の施術には股関節、骨盤、腰椎どれも施術が必要となります

股関節・骨盤後面の硬さ

股関節の前面の硬さなら鼡径部の前面に問題があるように感じますが、実は股関節の後面の硬さは股関節の大腿骨の骨頭を前に押す作用がおこり、股関節の詰まりの施術には股関節後面の緊張緩和も重要です。具体的には梨状筋・大腿方形筋・双子筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・小殿筋・中殿筋などがらあります

股関節の詰まりが起きる骨盤の特徴

股関節の詰まりを感じる人の骨盤の多くは骨盤が前傾した反り腰の姿勢です。股関節は大腿骨と骨盤でできていまが、ソケットである骨盤が前に傾いていれば大腿骨は骨盤のソケットで詰まりが起こります。この状態が持続すらば関節に負荷がかかります。股関節の詰まり感がある状態でストレッチや運動などをすれば腰痛や股関節、鼡径部痛の原因になります。

施術が必要

セルフケアやストレッチで何とかしたいと思いますが、施術が必要な場合もあります。それは関節包の癒着や深部の筋肉へのアプローチはストレッチや運動だけでは厳しいです。深部の違和感やストレッチや運動で緩和しない場合は施術を探したほうが良いと思います

日常生活での股関節の動き

日常生活で運動をする事がどれだけあるでしょうか?椅子や座椅子に座っている時は股関節が90度以上曲がる事はありますが、股関節を上げたり伸ばしたりする運動がどれだけあるでしょうか?多くの方が大人になれば運動量が減り、場合によっては運動を全くしないという方も多いのではないでしょうか?そうなれば体の機能は低下します。施術が必要な場合もありますが、施術だけでなく自分で動かす事も重要です。まずは関節に負荷のかからない範囲での運動やストレッチを行うのはいかがでしょうか?